青函船舶鉄道管理局 鉄道公安官 守村義衛 〜連絡船の詩〜

青函船舶鉄道管理局 鉄道公安官 守村義衛
        うた
〜連絡船の詩〜





重垣:「激動の昭和」を彩った、制服姿を再現することを目標とする、コスプレ集団・レイヤーズらしい制服姿をご紹介します。国鉄の駅、機関区、車両区、線路など、国鉄の敷地内で警察官と同等の職務を行った、鉄道公安職員です。
守村:青函船舶鉄道管理局、鉄道公安室所属の、守村義衛です。
重垣:今年(平成19・2007年)は、国鉄民営化から20年、鉄道公安制度もなくなってから20年になります。
守村:鉄道公安制度は、昭和20年の敗戦に伴う治安悪化期、駅構内で旅客の案内、ホームでの警戒に当たる警手、旅客案内掛、警備掛などが、警察官と同等の職務ができるよう、特別司法警察官にしたものです。制度としては大正12(1923)年から、駅長、助役、車掌に限って、無賃乗車、悪質な不正乗車といった、鉄道営業法違反での書類送検ができるようになっていました。、その制度の運用を改善し、適用される職員を拡大、専従にし、権限も拡大したものです。
重垣:今回の所属は、青函連絡船の所属した、青函船舶鉄道管理局になっていますね。
守村:鉄道公安職員は、所属する鉄道管理局の鉄道公安課に所属します。ターミナル駅の鉄道警察隊の分駐所は、昭和62年3月31日までは、鉄道公安室、鉄道公安分室となっていたところです。国鉄時代は全国区ですから、東京北鉄道管理局から来た、べらんめぇの高村、新潟鉄道管理局から来た、理論家の宗村、広島鉄道管理局から来た、寡黙な守村のトリオが、青函船舶鉄道管理局の公安室に勤務し、青函連絡船に警乗する…ということも、あったんです。
重垣:へえ…。一昔前の推理小説では、鉄道公安官が主人公の作品もありましたがねぇ…。
守村:推理小説に出てくるような話など、実際には起こりません。鉄道ですから、駅構内の案内に、年末年始、お盆などの繁忙期の雑踏警戒と警乗。酔っ払いの対応、スリ、置き引き、痴漢の類や、不正乗車キセル無賃乗車サツマノカミ(※)の現行犯引致がほとんどでした。むろん、事故が発生した場合は救援にあたりましたし、お召し列車の警備、自殺企図者の説得、保護も行いました。それに、「撮ると金運に見放される」と鉄道写真家の間で言われた、現金輸送車マニ30の警乗も行いました。
重垣:公安制度の話もつきませんが、着装にうつりましょう。
守村:今回の着装は、警察の巡査に相当する鉄道公安班長です。警察官とは違い、袖章、帽章での階級識別は行わず、左胸ポケット上部の記章が、階級章です。リンドウの葉の数と、金色か銀色かで識別します。
重垣:ポケットと襟のデザインも、違っていますね。
守村:警察官との識別を行いやすいように、デザインは変えています。警察の昭和43年式、32年式、27年式は共に外ひだですが、公安官は内ひだです。また、腰ポケットも、警察では帯革を巻くため使えないので、飾りフラップとボタンのみで物は入れられませんが、鉄道公安官は、背広と同じ切れ込み式ポケットなので、物が入れられます。
重垣:拳銃嚢をはずしたら、警備員のようにも見えますね。
守村:公安職の国鉄職員なので、名札も装着しますし、警察官と区別させるため、今回の「青函船舶鉄道管理局」のように、所属鉄道管理局や、「警乗」、「鉄道公安」などの腕章を巻くから、なおさらです。警棒は、雑踏する鉄道構内で使用するため、「鳴海悠子対ベナラクサ」で鳴海さんが振るっているような、一世代前の婦人警察官や、現在警備員が装備しているものと同じものを装備しています。今回のアングルでは見えづらいですが、拳銃嚢も、警察官と違い室内や車内での勤務がほとんどなので、オープンホルスターです。実際に拳銃を発射した事案はありませんが、コルト・オフィシャルポリスや、コルトM36を使用しています。
重垣:いやぁ…、推理小説に出てくるような話しか、知りませんでしたよ。私服活動のスリ専従の鉄道公安官ぐらいしか…。
守村:それが、普通でしょう。国鉄民営化で、鉄道公安制度が廃止になったとき、ほとんどの鉄道公安職員は、警察官となり、所属鉄道管理局を所管する都道府県の鉄道警察隊に転出しましたが、鉄道員でいたいと、JRの職員になった人もいます。機会があれば、昭和43年式制服の鉄道警察隊との共演も、やってみたいですね。
重垣:さて、そろそろ時間ですね。そろそろ締めのセリフに移りましょう。このイラストは、管理人がOMC を経由し、クリエーターのVIPERさんに描いていただいた作品です。無断転載、無断リンクはお断りします。
守村:著作権には、十分留意しましょう。

(※)
キセル…不正乗車者を指す鉄道用語。キセルの前後に金属がついているのが語源。
サツマノカミ…無賃乗車者を指す鉄道用語。平氏の一族平忠度ただのりが、薩摩国の長官である薩摩守だったことに、「ただ乗り」をかけたしゃれから。