熱川・清水コンビ
〜高度経済成長と「激動の昭和」から平成へ〜

重垣:『白昼夢』シリーズ、『ジュリバン外伝』シリーズで活躍される、熱川進・清水清司のお二人を、ほしなかえるさんに描いていただきました。さて、今回はいつごろの制服でしょうか。
清水:わたしは、昭和31年制定、昭和43年まで使われたタイプの制服です。高度経済成長から極左暴力の介入により、労働運動、学生運動がおかしくなった時期です。実際には、昭和27年式制服からの換装準備期間と、昭和43年式制服への過渡期があるので、2年ほどずれますがね。基本デザインは昭和43年式や、昭和27年式に似ていますが、ボタンは3つで、腰ポケットは飾りではなく、物が入れられます。階級章は、巡査・巡査部長は銀台地に旭日章がべたづけです。今回わたしは巡査部長ですから、旭日章二つが、べたづけされています。袖章は、昭和21年式から変化はありません。
熱川:俺の制服は、昭和43年制定、平成6年まで使われていた、高度経済成長と激動の昭和から平成へ、の時期に使われていた、一番なじみのあるタイプの制服っす。4つボタン背広襟、左右に胸ポケット、腰ポケットがつくのは同じですが、腰ポケットはフラップだけで、飾りっす。袖章も幅がせまくなり、巡査の場合は1.5センチっす。階級章もデザインが変わって、中央に金線が入っているっす。
重垣:着こなしは、世界制服屋警備部の「守るものは、二つ」と同じですね。
清水:ええ、性格・発想総て正反対なのに、コンビを組ませれば絶妙の二人…ということで、着装も微妙に変化させています。所属部門も、わたしは警ら課、熱川は機動隊です。
熱川:機動隊といっても、年末年始やイベントの雑踏警備、交通違反の取締りの応援などでは、警ら課、交通課と同じ着装で出動するっす。俺らはなんでもありの部門なんす。極左暴力団としかいえない連中によって扇動された、学生運動や労働運動が沈静化した昭和40年代後半以降は、災害の復旧や警ら課などの応援に出動するほかは、訓練だけなので、巡査・巡査長は巡査部長、巡査部長は警部補…と、昇格試験の勉強も訓練の一種と考えて、試験勉強をやったので、機動隊の合格率が高くなった…なんてエピソードもあるっすよ。
清水:警ら課…平成6年から地域課に改名されましたが、ここは、交番・駐在所で勤務し、警らや巡回連絡に当たる、警察の第一線です。道案内、警ら中の不審尋問、落し物や自転車泥棒といった盗難の対応、事件現場で鑑識課が来るまでの現況監視、交通事故現場での負傷者救護…と、なんでもありの部門です。
重垣:私服刑事は地域課で経験を積まないと、配属されることはない部門だと、宗村夏実さんが言っていましたね。
熱川:だから、若手でも私服刑事は20歳後半以上になるっす。17歳の私服刑事のニシムラ・ミリなんて、タイアップの「東京怪談」で出てくるっすが、あんなのは、ナンセンスの一言に尽きるっす。
清水:タイアップ企画は、国家一種の制度を云々するくせに、帰化したわけでもないのに、ドイツ人で日本の警察官になっているミルク・カルーアなる人物がいるなど、国籍条項や年齢といった、基本的知識が欠落していますからね。公務員の国籍条項の存在は、時折新聞などでも取り上げられていますから。知らないわけはないと思うのですがねえ。
重垣:(雲行きが怪しくなってきたぞ…)ところで今回は、制服にほとんど変化がないですね。
熱川:高村・宗村・守村の、高宗守トリオは、他人の空似で、メガネの有無など細かい点でしか区別できないっすからね、俺らがモデルになったっす。今回も、着装の差を出しているっす。俺らの警棒を見てほしいっす。警視庁は黒っすが、埼玉県や千葉県は木目を生かしたニス塗りにしていたっす。
清水:北は北海道から南は沖縄まで、47都道府県と皇宮警察で48の着装規定がありました。基本は警視庁の着装を参考にしますが、警棒の色のほかに、ネクタイの色、拳銃吊り紐の色などで、ローカルカラーを出していました。それに、仕立て方なども、地方地方のメーカーで発注するので、生地や細部に差が発生しています。その再現はまた次回ということで。
重垣:次回以降も楽しみですね。
清水:そうそう、本土復帰前の沖縄も、本土と同じデザインの制服を着ていました。アメリカの警察バッジ風の警察官章を左胸ポケット上部につけていたほかは、同じです。
熱川:基地警備の日本人警備員は、アメリカの警察官風の制服を着ているっすけどね。
重垣:アメリカ風デザインの制服かと思ったら、本土と同じですか…。意外ですね。さて、そろそろ時間ですね。このイラストは、管理人がOMC
を経由し、クリエーターのほしなかえるさんに描いていただいた作品です。無断転載、無断リンクはお断りします。
清水:著作権には、十分留意しましょう。