警ら中の高村巡査
〜昭和29年の街角〜

重垣:昭和20年代後半、国家地方警察と自治体警察の並立期の「あの日の姿」、今、ここに。今回は昭和27年式制服姿の警ら課警察官の姿を、高村宗光さんが再現しました。
高村:いつもは昭和21年式制服が多い、高村です(敬礼)。今回は、自治体警察の警察吏員に扮しています。国家地方警察か、今の制度になった昭和29年7月以降にしようか迷ったんですが、「レイヤーズ、それぞれのコスプレ」で宗村が大宮市警察の記章を入手したので、大宮市警察の巡査です。
重垣:犬飼さんが一番多いと言っていた、襟章タイプですね。ところで、なぜ大宮市なんですか。高村さんは江戸っ子、台東区出身でしょう。
高村:大宮は、鉄道国有化法で買収される以前の日本鉄道時代から、工場や機関区がある、東北本線のターミナル駅でした。国有化後、大宮工場は機関車、電車を一から製造していますし、被服工場などもありました。今はさいたま新都心として、都内にあった関東管区の各種官公庁が移転してきている地区は、貨物輸送華やかなりしころは、貨車の操車場でした。尾久・田端と同じ、鉄道の街です。
重垣:ああ、だから鉄道公安官に扮するときは、上野始発の東北本線を所管した、東京北鉄道管理局の公安分室所属なんですね。
高村:ええ、そうです。とはいえ、鉄道の街とはいえ、JRになってから支社となった鉄道管理局は、国鉄時代は設けられませんでしたし、鉄道学園も、国鉄末期になって、関東鉄道学園という名前で作られました。が、JRになって鉄道学園は消えましたが、名前は変わったものの、現業職員教育機関として残っています。いささか余談に流れましたね、本題に戻りましょうか。
重垣:いやあ、本題を忘れてしまうところでしたよ。レイヤーズの皆さんは、いつの時代、いつの制服でも違和感がないですね。通時代性がある…といったらいいのでしょうか。
高村:犬飼先輩や鳴海さん、湯浅の御大、大滝、実藤はともかく、少なくとも、俺と宗村、守村は、現在までです。近未来に出たら、違和感出ますよ、絶対。レイヤーズは、「激動の昭和彩った、あの日の姿、今ここに」で、俺らの先人が歩んだ、日常生活の何気ない一瞬を再現するのが第一目標です。オーダーメイド・コムなどの、太陽が西から昇り、真夏に雪が降るような荒唐無稽極まりない内容の作品に出る、吹けば飛ぶような薄っぺらい設定のキャラクターに、まずこの姿は再現できないでしょう。俺らの理想は、現実直視路線、ネオ・レアレズモ期のイタリア映画ですから。
重垣:ネオ・レアレズモとは渋い路線ですね。こうなると、レイヤーズも、ピエトロ・ジェルミの『鉄道員』、『刑事』、ヴィットーリオ・デ・シーカの『自転車泥棒』のような、名シーンを残さなければなりませんね。
高村:名作、名シーンが残せるかどうかはわかりませんが、目標としてはこうありたいものです。(時計を見て)さて、そろそろ時間です。立番している守村と交代しないと。
重垣:わざわざ忙しいところ、ありがとうございます。
高村:いえいえ。これも好きでやっていることですから。
重垣:このイラストは、管理人がオーダーメイド・コムを通じ、クリエータのほしなかえるさんに描いていただいたイラストです。無断転載、無断引用は、禁止します。
高村:著作権には十分、留意しましょう。
〜江戸東京たてもの園、博物館ボランティアの休憩時間に収録〜