双葉葵と男装の麗人

重垣:「激動の昭和彩った、あの日の姿、今ここに」をモットーに、正確な着装を重んじるレイヤーズも、時には、着たい制服、なりたい姿になることがあります。
犬飼:今回描いてもらったのも、それになります。
葵:『逮捕しちゃうぞ』に出てくる、墨東署交通課の「女装の麗人」、双葉葵。
夏実:国鉄時代、旅客の安全輸送に挺身した鉄道公安官。新宿駅鉄道公安分室所属、「男装の麗人」、宗村夏実。
犬飼:男装を思わせる白バイ隊の、「城北の青き疾風」、犬飼高美。
鳴海:「激動の昭和彩った、あの日の姿、今ここに」のレイヤーズですから、着装規定に基づいた着こなしも忘れません。昭和51年式婦人警察官制服の、「五つの顔を持つ女」、鳴海悠子。
犬飼:この4人が、登場します。
重垣:まさに、タイトルどおり男装の麗人と双葉葵の共演ですね。鉄道公安時代は、婦人鉄道公安官は存在しなかったんですから。
夏実:ええ、ですから今回は、祖父が袖を通した鉄道公安官制服姿になりました。制服の細部については、何回か言及しているので、省略しますけどね。
犬飼:いやあ、あたしもレイヤーズ結成前からコスプレしているけど、本人が告白するまで女装だとばれないケースは、初めてよ。
夏実:女性だと言われたときには、驚いたよ、正直言って。あたしは男装しているから、なおさらよ。
鳴海:葵さんの告白を聞いて、みんなが驚いているのが今回のシチュエーションです。
葵:女装レイヤーなら目指すべきレベル、それが、『逮捕しちゃうぞ』の双葉葵巡査長です。男性に告白されるし、夏実、美幸、頼子、課長、中嶋…といった交通課のみんなはもちろん、墨東署全体が女性として扱っていますから。
夏実:それに、現実では考えられないけど、装備待遇はおろか、勤務まで女性と同じ扱いだからね…。
鳴海:職業柄、性同一性障害に苦しんでいて、女装している人にお会いすることもありますが、今回の葵さんのようなレベルの方には、お目にかかったことはありませんね。
葵:あたしは性同一性障害ではないので、念のため。口調が女性風なのは、役になりきっているからです。
犬飼:初めて会った時は、女性にしては長身で、声が太いから、バスケットやバレーの選手か、宝塚の男役経験者かと思っていたけど…。
鳴海:あたしは、先輩に誘われる以前からコスプレしていましたが、女装レイヤーは、今回のように、同性にも見分けがつかない人もいれば、単に女物の服を着ただけだろう!と言いたくなるような人もいて、ピンキリですから。
夏実:男装しているあたしが言えた義理じゃあないんだけどさ、女装禁止のコスイベントは多いけど、男装禁止ってところは聞いたことがないねえ。
鳴海:コスプレイヤーは、女性が多いのもあるかもしれないわね。男装禁止にしたら、参加者は減ること確実ね。男性は軍装か官庁系制服、それか特撮物の変身後のヒーローがほとんどなのに対して、女性陣は、本来男性のゲームキャラ、アニメキャラをやっているから。
犬飼:ゲームやアニメ、漫画に出てくるような、さらさらロングで長髪の男性なんて、実世界にいたら、自由業か学生ぐらいなもんだからね。扮するキャラに身長が足りないから履くので、いまだに厚底ブーツの需要もあるし。
鳴海:それに、これは量産体制ができて、価格が下がるから歓迎すべきことなのか、本来用途に使われていないので複雑ですが、男装用のシャツ、通称ナベシャツの需要も拡大していますし。
夏実:今回あたしは、元の制服の胸囲に合わせるんで、やっていないけど、男装レイヤーは、胸を潰さなきゃならないんだ。古典的に、Tシャツの上からサラシやガムテープを巻く方法もあるけど、苦しいんだ。だからナベシャツを着るわけ。元は性同一性障害の女性向けに開発された、福祉機器的存在だったんだけどね。
犬飼:胸で思い出したけど、ティファニーが黒髪ロングのままでセフィロスに扮した、女性型セフィロスの「ティファロス」は、長身でさらさらロングだから、絵になっていたね。
重垣:はだけた胸元は、どうされたんですか。原作どおりにやったら、大変なことになりますよ。
鳴海:露出度の高いコスプレ用の、防御アイテムがあるから大丈夫。それに、胸元が見えないようにアレンジしたから。
葵:それに、露出度の高いレイヤー用の防御アイテムは、いっぱいありますから。そうそう、女装用のアイテムも豊富になりました。
重垣:ところで、なぜ、葵さんは…、葵さんなんですか?
犬飼:それに、なんで悠子は平然としているのよ。
葵:これは申し遅れて、失礼しました。『白昼夢』シリーズ「あなたがうわさの」で出演しているんです。
鳴海:そのときあたしとムネさんが、葵さんと知りあったというわけです。
葵:で、レイヤーズの皆さんと久しぶりにお会いして、双葉葵と男装の麗人の鉄道公安官、夏実を意識した白バイ隊員に、正確な着装の婦人警察官との集合写真に納まったあとで、正体を明かしたわけです。
鳴海:彼は、化粧品会社のメイク担当なんです。
葵:新作ファンデーション開発のとき、男性の肌に塗ったらどうかという実験から始まり、乗りがいいので、会社の女性陣によってメイクされてから、女装を始めました。痴漢対策で女装を始めた双葉葵と同じです。このあとメイクを落として、原作版『逮捕しちゃうぞ』の中嶋剣に扮して、再登場しています。ま、それはともかく、女装レイヤーとして一言言っておくと、そのキャラになりきる努力はしてほしいですね。最低限、無駄毛処理はやっておかないと。
鳴海:気味悪いし、せっかく扮したキャラが泣くってものよ。
犬飼:女装レイヤー自体が、いまだに変な目で見られるときがあるから。
夏実:そういう偏見を打ち消していくのが、あたしたちレイヤーズの任務でもあるんだけどね。
(昭和43年式制服の宗村高光、登場)
宗村:おや、夏実さんはここにいたのか。高村、守村も準備できたから、「歴代警察官制服紹介」の撮影、始められるよ。
夏実:了解。重垣さん、そろそろ締めのセリフに移るから。
重垣:承知。このイラストは、管理人がオーダーメイド・コムを通じ、クリエータの叙火さんに描いていただいたイラストです。
犬飼:よって、著作権はオーダーメイド・コムに。
鳴海:利用権は管理人にそれぞれ帰属します。
夏実:無断転載、無断引用などもってのほか。
葵:著作権法違反で『逮捕されちゃうぞ』にならないように。