警ら中の宗村巡査〜過渡期服制編〜

警ら中の宗村巡査
〜過渡期服制編〜




(重垣が街並みをスケッチしているところへ、警ら中の宗村がやってくる。ころあいを見はかるようにして、重垣、始める。)
重垣:さて、このシリーズではたびたび出ているシチュエーション、交番・駐在所勤務警察官の任務のひとつ、警ら中の宗村巡査の姿を、梅丸藤堂さんに描いていただきました。(目線を上げ)おや、制服が「立番中の守村巡査」「警ら中の高村巡査、宗村巡査」と違いますね。(宗村、足を止める。)
宗村:何回かこのシリーズで触れたとおり、今回は昭和10年式制服にモデルチェンジが行われたときの、移行期間の着装を再現しています。予算の関係と資材調達の関係から、上着・ズボンは後回しにし、明治41年式では不満が多く、調達製造に時間がかからない、帽章、階級章から先に新しいデザインに切り替えています。
重垣:移行期間なしで警察官制服がモデルチェンジできたのは、いまのところ平成6年式だけで、1年〜3年程度の移行期間があったというのは、このシリーズでも何回か触れていますね。
宗村:ええ。しかも平成6年式はフルモデルチェンジですからね。話を今回の着装に戻すと、貸与年限の関係も含め1〜2年程度を予定していた着装ですが、ご存知の通り、全面換装完了の昭和12年には日中戦争となり、軍需優先の物資動員で、損耗が激しく着用に耐えられなくなるまで、この新旧混用着装は続けられました。
重垣:それにしても、雰囲気、出ていますね。
宗村:甲田巡査を地で演じられる、守村ほどではありませんがね。映画版『多甚古村』で清川荘司扮する甲田巡査は、この着装で出演しています。
重垣:ところで、今回の構図は今までになかったものになっていますね。
宗村:足元を白猫が歩いていますが、もう一匹、ぶち猫が塀の上に座っていました。猫から見た視点といったところです。
重垣:背広式の戦後編や、世界制服屋警備部、東都保安警備、東方共和国警察の作品も含めて、俯瞰の作品は「交通誘導警備にあたる守村義衛警士」「ある日の二人 〜冬の街、アベックパトロール〜」などがありますが、ほとんどは水平、第三者の目線でした。が、今回は左上方から見下ろすような目線で、珍しいですね。
宗村:ええ、珍しい構図ですが、このほうが、過渡期の着装をわかりやすく説明できます。階級章と帽章だけ先に取り替えて、あとはそのままという新旧混在の着装ですから。
重垣:なるほど、そうですね。
宗村:今回は新旧混在の過渡期の着装と、描きこまれた背景が主役です。ちなみに白猫は、レイヤーズの猫ではありませんので。
重垣:桐田・村瀬コンビの愛猫ではないんですね。
宗村:ええ。撮影中にどこからかやってきた、猫です。このあたりが生活範囲なんでしょう。猫の生活動態からも、受持区内の住民の動向を把握しておかないといけませんから。猫をいじめる心の狭いやつは、近隣と揉め事を起こしたり、場合によっては傷害罪で立件できる、夫婦喧嘩やしつけとはいえない行動に出ている場合もありますから。
重垣:そこまで注意を払っているわけですか。
宗村:もちろん、これはボランティアでやっている防犯パトロールのときにも共通します。(時計を見て)さて、そろそろ行かないと。スケッチの手を止めてしまって、申し訳ありませんでした。(といって、歩み去る。重垣、スケッチを再開する。)
重垣:わざわざありがとうございます。さて、このイラストは、管理人がオーダーメイド・コムを経由し、クリエータの梅丸藤堂さんに描いていただいた作品です。無断転載、無断引用は、禁止します。

〜江戸東京たてもの園で収録〜