粉砕伝説ジュリバン外伝第67話〜警備部、駐禁取締に出動す

粉砕伝説ジュリバン外伝
第67話
〜警備部、駐車違反取締に出動す〜


世界を制服で征服し、制服の効果で秩序ある世の中を作ることを最終目標とする秘密結社、世界征服屋は、他の世界征服を狙う秘密結社の類とは、全く違う。
前述の通り掲げる目標もだが、資金源として作った、制服製造販売の世界制服屋と、食堂部のレストラン・ユニッツは商売繁盛、警備部は人々の平穏な生活を守り、人々の役に立っている。
構成する人々も多種多様。近衛部隊を例に挙げると、長のガーディーことエンプレス・ガーディアン以下、副長ブラックナイト、ハーロウ、エフスキー、ジュン、エーコ…は、生身の制服姿はもちろん、ボディースーツやアメリカン・コミックに出てきそうなヒーロー、ヒロインになっても違和感がないとまで言われていて、事実、ヒーロー、ヒロインを意識した姿で、敵対する秘密結社を攻撃、壊滅させてもいる。

さて。ある日の世界征服屋基地。
軍議も終わり、主だった将軍がひきとったあとで、タカミーナはガーディーを呼び止めた。
「おりいって、話がある。」
女帝の個室で、タカミーナは切り出す。
「秩序ある社会を目指す我らとして、交通違反は気になる。それを減らすため、率いる警備部として、協力してはくれぬか。女帝としてはもちろん、世を忍ぶ仮の姿の犬飼高美としても、このことは気がかりだ。」
しばし考え、ガーディーは返す。
「交通秩序を乱す他の組織を、近衛部隊で壊滅させよということですか。」
世界征服屋の思想とは相容れない、世界征服をたくらむ秘密結社を、一般部隊、近衛部隊ともどもいくつか、壊滅させている。近衛部隊独自の情報網でも、交通秩序を乱して世界制服を目指す集団をいくつか把握しているし、暴走族やゼロヨンなどをやっている連中も、交通秩序を乱す組織。そいつらを近衛部隊系の警備部員で一網打尽にすれば、社会がよくなる。そう、ガーディーは考えたのだ。
タカミーナは苦笑し、続ける。
「いや、そうではない。そこまで事を荒立てなくてよい、当局の手が届かないところを、我らがカバーしたらよいと思ったまでのこと。違法駐車をレッカーする代わり、怪力を有する面々で移動させるのだ。このあいだの、ジュンとエーコ、ハーロウ、エフスキーの活躍、聞いてから、ずっと考えていたのだ。」
世を忍ぶ仮の姿は、スポーツカーをかっ飛ばす、制服美女の犬飼高美。車を飛ばせない原因の一つの路上駐車がひどく癇に障っている。いらいらじりじり日々過ごしているときに、近衛部隊の隊員でもある、熱川、清水、ジュン、衛子の
4人が違法駐車の車を移動させ、救急車を通したという話を聞いたので、このアイデアを思いついたわけだ。
ガーディーは、ほほ笑んで返す。
「なるほど、あの
4人の活躍から発想されましたか。それならお安いご用。我らは駐車違反監視員になっておりますから、法的根拠もあります。」
「引き受けてくれるか。」
「ええ。」
この会話から数時間後には、警備部の警監室で、いずれも
180センチオーバーの長身で怪力、しかも腕に覚えありの近藤衛恵警監、内藤武士警正、熱川進警曹、清水清司警尉、守谷ジュン警士、守谷衛子警長を交えた、作戦会議が開かれている。

それから数日後…。
警備部、世界制服屋本店のある、かっぱ橋商店街通り。街区を一つ隔てると、今も昔も繁華街の一つとして知られる浅草なので、今日も今日とて、違法駐車の車がある。むろん、ここは名うての問屋街。荷物の積み下ろしをする車を除外してもだ。
と、そこへ、警察車両を思わせる塗装の初代クラウン、トゥディ、その後ろに灰色に塗られた無蓋トラックが2台ほど続く。ハンドルを握るのは、園田方也、長井美幸といった近衛部隊系の警備部員。そして、荷台には、熱川、清水、守谷姉妹と近藤、内藤の6人。全員手袋をはめ、ジュンに至っては上着を脱ぎ、ワイシャツ袖まくりで無帽と、辻本夏実を意識した着こなしにしている。
所定の位置に停車すると、トゥディに乗った長井が違反車を移動する旨を告げ、それでも来ない車を確認してから、近藤が荷台で指令する。


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「かかれ!」
「はっ!」
熱川、清水、ジュン、衛子は、園田、長井が移動する旨を書き終えると、つかつかと車に近づき、そのまま持ち上げ、無蓋トラックの荷台に乗せ、固定する。
変身してヒーローになっておかしくない外見の、熱川、清水、内藤。『逮捕しちゃうぞ』の辻本夏実を思わせる怪力の守谷姉妹と近藤。
その光景を見て、人々はざわめく。特撮物の撮影か。だがカメラもクルーもいないぞ……。
ざわめいている人ごみを見て、ジュンが、
「あいつ、持っていかれたって怒っているわよ。どうだ、ざまあ見ろっての。」
と言うと、清水が次ぐ。
「これで、ここいらへんに停める連中は、減るだろうよ。」
熱川が返す。
「いいことしたあとって、気分がスカッとするよな!」
トラックに違反車両を積むと、近藤は号令する。
「発車」
次は、浅草の場外馬券売り場近辺だ。

…これより、台東区の浅草近辺では、レッカー車いらず、怪力で車を持ち上げ、トラックに載せる、怪力の駐車監視員が駐車禁止取締に出動している。
もちろん正体は、世界制服屋警備部の面々だ。