粉砕伝説ジュリバン外伝
外伝第87話
〜こんな物で、あたしを追い払えると思っているのかい…?〜

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 23日、節分。台東区のとあるお寺では、節分会の行事に、今年年男、年女になる檀家と希望者を募り、寺敷地内の寮に住み、寺の仕事を手伝いながら宗派の大学に通う若い修行僧とで僧兵に扮し、町内を一周、厄ばらいをしたあとで厄除け祈願の護摩を焚き、豆まきを行う。
毎年恒例の豆まきは、近くに幼稚園、保育園、小学校から大学まであるうえ、源平の争乱から戦国時代まで、事あるごとに戦った僧兵の姿をカメラに収めようとする者、福豆をもらって今年一年の無病息災を祈る善男善女で混雑する。よって警察、消防はもちろん、世界制服屋警備部と、地元で防犯・交通安全活動を歴代の警察官制服姿で行う、コスプレ集団・レイヤーズが雑踏整理で出動する。
 さらに今年は、住職が檀家の一人とともに何かを考え出したので、「驚くようなことが起こる」とうわさされている。

 例年の通り、僧兵行列は、警察と警備部、レイヤーズが交通誘導にあたり、無事に済んだ。行列のコースの中には、幹線道路が入っているのと、見物人の整理のためだ。
 それから、護摩を焚く。空気の乾燥した時期、屋外で火を使う上、焚火以上の火勢になるときもあるから、消防官と、消防団員が看視する。
これもつつがなく終了。メインイベントの豆まきに移る。
 豆をまくべく年男、年女が特設ステージに立ち、事故予防のため、警察官、消防官、消防団員、警備部、レイヤーズ、僧兵姿の僧が所定の配置についたとき。
 豆をぶつけられる鬼役が、現れた。


右、雑踏警備に出動中の高村団員、宗村警察補助員、鳴海警察補助員、犬飼警察補助員 左、牛頭馬頭と馬耳アマゾネス・牛耳アマゾネス
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 「驚くようなことって、これか。」
 折から雑踏警備に出動している、レイヤーズの宗村が言うと、同じく雑踏警備に出動している、檀家で消防団員の高村が返す。
 「俺は子供のころから節分会に参加しているが、鬼が出るのは初めてだね。」
 牛の頭に筋肉質の男の体、虎縞の締込姿の牛頭、同じく馬の頭に筋肉質の男の体の馬頭。二人(?)は地獄絵図の鬼の姿として描かれる、牛頭馬頭としておなじみだ。これだけかと思っていると、虎縞レオタードの上に一昔前の
RPGのヒロインが着るような、ビキニアーマーをまとった、スタイルのいい、モデルかと思わせるような女性が二人続く。それぞれ馬耳、牛耳をつけていて、馬耳はポニーテール、牛耳は巨乳だ。
 見物人の間から、ざわめきがあがる。
 「戦隊物の、悪の組織の女幹部か。」
 「スタイルいいな〜。」
 牛耳鬼が豆をひねりつぶし、タンカを切った。
 「あたしらをこんな物で追い払えると、思っているのかい?」
 「こんな豆など、俺の鍛えたボディではじき返してくれるわ!牛頭鬼様、馬頭鬼様。ご心配には及びません。我らが盾になります。」
 これは馬頭。
 悪の組織の女幹部が、戦隊物の悪役を従えて登場という雰囲気に、一同気圧された。これから戦闘員も出てくるのか…?
 ステージの上の年男が返す。
 「何ぃ、言わせておけば。みかんに福餅入りショットガンの零距離射撃を食らえ。鬼は外!!」
 豆と縁起物の福餅、みかんを枡からわしづかみにして、投げつけた。
 本来なら、住職が簡単にあいさつし、今年還暦を迎える年男・年女が「節分会の豆まきを始めます。皆さんもご一緒に。鬼はそと〜」と音頭をとってまき始めるが、フライングもいいところだ。
 シナリオにない急展開に、住職は、マイク片手に号令した。
 「さあ皆さん、あの豪語する鬼を豆で撃退してやろうじゃあないですか。鬼は外、福は内〜!」
 「鬼は外、福は内!」
 「負けてたまるか、投げ返せ!」
 どこの世の中、豆まきで鬼が反撃する話があるだろうか。
 前代未聞、悪の組織の女幹部風の牛耳鬼、馬耳鬼も加わり、応戦する豆まきが始まった。


 話の始まりは、
1月の終わりごろに遡る。
 世界を制服で征服することを最終目標とする秘密結社、世界征服屋。世を忍ぶ仮の姿は、制服専門アパレルの世界制服屋と、近衛部隊を改編した世界制服屋警備部。一般部隊の一部で編成した世界制服屋食堂部。
 地元密着、イベントでの雑踏警備、交通誘導警備、区発注の公共工事の交通誘導警備はもちろん、地域の通学路などの防犯パトロールや空き交番に常駐しての警備、区の施設での機械警備、巡回警備、常駐警備まで行う、世界制服屋警備部を率いる近藤衛恵警監こと、エンプレス・ガーディアンが軍議の席で報告する。
 「このたびの僧兵行列と節分の行事、我ら警備部が雑踏警備と交通誘導警備で出動します。」
 女帝・タカミーナは、しばし考える。
 彼女は生まれも育ちも、台東区。高村と同じく檀家で、子供のころから節分会に参加していた。現在では施餓鬼で喜捨するなど、文字どおりのスポンサー、檀家である。警備部が賽銭泥棒、仏像泥棒予防の巡回警備、機械警備に加え、年末年始の雑踏警備、交通誘導警備、葬儀法要などの交通誘導警備、それにお祭りや今回の節分会のようなイベントのときの雑踏警備、交通誘導警備と仕事が回ってくるのは、近藤警監・内藤警正・遠藤警正以下がよく訓練した部下を率いて、警察官・消防官に負けない活躍をしているのに加え、「高美さんの会社だから」というのもある。
 「豆まきとなれば鬼が必要。地獄絵図では鬼の中に、牛の頭の牛頭、馬の頭の馬頭が描かれている…。」
 一般部隊の将校、ケンタウロス・タングスと、ミノタウロス・タウロ、アマゾネス・ミノア、アマゾネス・シノルをちらりと見て、次いだ。
 「ちょうどよい存在がいる。タウロ、タングス、ミノア、シノル。悪いが豆まきの鬼に扮してはくれまいか。ギリシャのミノタウロスは、日本の牛頭とよく似ている。」
 「ええっ!?」
 いきなりのご指名だ。驚かないほうがどうかしている。これが締まらない事この上なく、ほとほと愛想の尽きた隊長のハンターに頼まれたのなら、「いやです」と即答するが、敬愛する女帝の頼みとあれば、引き受けないわけにはいかない。
 「女帝陛下の仰せとあれば。」
 「我ら一同、任務を果たします。」


 舞台変わって、秘密結社世界征服屋の休憩室。
 タウロ、タングス、ミノア、シノルが、考え込んでいた。
 「引き受けたものの、豆をぶつけられるのは気分がいいわけないわね。」
 牛耳アマゾネスのミノアが言うと、馬耳アマゾネスのシノルが次ぐ。
 「警備部が出動するっていうんでしょ。あの人たちは戦隊物ショーのつなぎで出演したときの武勇伝がいっぱいあるからねえ…。」
 警備部の時間稼ぎについては、このシリーズでも何回か触れている。殺陣の血糊どころか、血の雨を降らせかねない者もいると、闘将・サンディラことサンディが多少誇張して言ったのと、人に華を持たせ、自らは謙遜する近衛部隊・警備部の体質から、誤って伝えられているようだ。
 「立春には、体のあちこちに傷があるわけか。」
 ミノタウロスのタウロが言う。
 とそこへ、近衛部隊のハーロウとエフスキー、ジュン、エーコがやってきた。年齢が近いうえ、所属こそ違うが部隊の中心的存在なので、話が合う。
 「豆まきの鬼にされたって?」
 エフスキーが言うと、ジュンが次ぐ。
 「ご苦労なこった。あたしらも毎年出動しているけどさ、大変だぜ。鬼の苦労がわかるってもんさ。餅にみかんもまくんだけど、みかんがあたると、目に汁は入るし、大変だぜ。」
 「警備部も出動するって言っていたが、どんなことをするんだ?」
 タングスの問いに、エーコが答える。
 「あたしたちは、僧兵行列の交通誘導と、豆まきのときの雑踏整理。子供たちも来るから、危なくないようにしないと。」
 ハーロウが次ぐ。
 「カメラマンは撮影に夢中になると、自分がどういう場所にいるかすら忘れるからな。それを注意するのも、俺らの仕事さ。」
 全てを察した、エフスキーが言う。
 「俺ら警備部を相手にしての立ち回りは、まず起こらないよ。主催はお寺さんなんだ。何かあったらそっちでつなぐさ。説法なり、僧兵の薙刀での立ち回りでね。」
 エーコがひきとる。
 「サンディさんが尾ひれをつけているのよ、あたしたちの時間稼ぎは。」
 ケンタウロス・タングスが、一同を代表するかのように返す。
 「それを聞いて、安心した。」

 このあと、世を忍ぶ仮の姿は戦隊物のショーでヒロインを演じる、サンディがやってきたので、彼女を交え、世界制服屋食堂部で作戦会議が行われた。
 それで決まったのが、あの登場シーンである。
 今日はサンディ、監督として出動している。なんといっても所属している劇団が劇団だし、親会社はイベント衣装も扱う世界制服屋だから、もっともらしいスタッフ用ブルゾンに野球帽、それに「
STAFF」と書かれた腕章を巻き、無線機片手に、やや離れたところから、指示を出している。
ショットガンの零距離射撃云々というのは、たまたま年男の一人が特撮物好きなので、登場シーンを見て思わず口をついて出た、全くのアドリブ。それに対しタウロ・タングスもアドリブで返したわけである。
 鬼が豆を投げ返す前代未聞の豆まきだが、福豆を取りに来た人、特に高齢者や子供たちのため、みかんを無傷で受け止め、手渡すサービスも忘れない。
 無傷で受け止めたみかんを、シノルは近くにいた子供に渡す。
 「はい、おみかん。」
 「ありがとう、お姉さん。」
 豆をまいている人たちが、三方に乗った豆や餅、みかんそのほか縁起物がなくなったので、特設ステージから降り始めた。
 (引き際のようだね。)
 サンディは、指示を出す。
 「引き上げ。相手も撤収している。」
 ミノアの豊かな胸の間に挟んだマイクで、彼女は返す。
 「了解。」
 「豆など怖くはないが、多勢に無勢。やむをえん、引き上げるぞ。」
 タウロが言うと、ミノアが次ぐ。
 「豆で追い払われたんじゃあないからね!」
 「悔しい!来年はこっちも反撃する武器を用意してくるから。」
 シノルのセリフと共に、四人は撤収する。その道は、熱川、清水、守谷姉妹があけてくれていた。


 それから数日後、喫茶店ユリイカでは。
常連の、コスプレ集団・レイヤーズのメンバー、鳴海悠子、宗村高光、高村宗光がいた。いずれも、今回の節分会の雑踏警備と交通誘導警備に出動している。
 「いやあ、今年の節分会は何かが起こるぞって住職から聞かされていたけど、まさか戦隊物の悪役を鬼に起用するとはね。」
 消防団員でもある高村は、雑踏警備のほか、護摩を焚くので出動していた。前述の通り、空気が乾燥している時期に屋外で火を使ううえ、焚火レベルではないからだ。
 「「あたしたちをこんな物で追い払えると、思っているのかい」ってタンカ切った瞬間は、かっこいいって思ったわね。」
 鳴海が次ぐと、宗村が返す。
 「その次は、戦闘員が出てくるんじゃあないかって気が気じゃなかったね。立ち回りになったらどうしようかとも思ったよ。武器、持っていないからさ。」
 レイヤーズは制服姿で地域の防犯に協力するが、身分は警備員と同じ民間人。武装は警備員に準ずるので、警棒しか持てない。それに今回の出動は雑踏警備なので、警棒は必要ないから、帯革と警笛のみ装備している。
 「まさか、豆まきで戦闘員は出さないでしょう。」
 鳴海が言うと、先に来ていた、休憩時間中の園田方也警士部長・長井美幸警士が話に入ってきた。二人とも特撮・戦隊物好きだ。
 「いいな、見たかったよそのシーン。」
 「さぞかし絵になっていたでしょうね。決めゼリフの瞬間は。」
 「二人がいたら、もっと面白くなったかもしれないなあ。」
 「どういうルートで呼んだのかしら…?警備部も出ていたから、サンディさんつながりかな?」
 「それが一番の線だろうな。」
 会話を聞きながら、マスターの一千尋と、ウエイトレスのデア・シリアの二人は、顔を見合わせる。
 「あの脚本、千尋お姉さまが書いたのよね。」
 「そう。サンディさんに頼まれてね。」

 そのころ、「準備中」の札をかけ、昼休み中の世界制服屋食堂部では。
 誰にも聞かれないような奥の間で、世を忍ぶ仮の姿、人間スタイルの四人は、来年に向けての作戦会議を開いていた。
 「今年は急な話で用意が間に合わなかったけど、来年は反撃してやる。豆鉄砲を用意しておかないと。外見はガスガンでも、文字どおり大豆が飛び出すようなやつよ。」
 ミノアこと三輪ゆたかが言うと、シノルこと白銀忍が次ぐ。
 「鬼が一方的にやられると思ったら大間違いだって、思い知らさないと。タウロはグレネード・ランチャーでみかんを発射して。タングスは散弾銃よ。」
 「反撃する鬼か…。来年の節分、楽しみだな。」
 タウロこと牛島満がにやりと笑うと、タングスこと馬野健太が返す。
 「そうなると、虎の皮のふんどしじゃあだめだ。ゆたかと忍はカウガール、俺らは西部劇のガンマン姿にならないと。」


 その次の年から、さらに節分会に人が集まるようになった。
 理由の一つは、男性は四つボタンで負革つき帯革装備、階級章は両襟につく上着で、警笛吊り紐を腰ポケットに入れる着装。女性はド・ゴール帽の制帽に、四つボタンアウトポケット、センタープリーツのスカートの、一世代前の警察官制服に似たデザインの世界制服屋警備部。男性は機動隊を思わせる編上靴、女性は黒のロングブーツで足元を固めた予備隊と、同じ着装でも男性は黒短靴、女性は黒パンプスの「昭和のあの日のお巡りさん・婦警さん」を思わせる着装の警備一課、それに交通課を思わせる、男性は制帽に冬でも白い日おおいを被せ、白帯革を装備し、女性は一課と同じ着装だが、緑と白の交通腕章を巻き、白い警笛吊り紐を装備する警備三課。
 警備三課は職務上誘導棒を装備するから、男性と合わせが逆になるだけで、あとは全く同じデザインの、「男装の麗人」スタイルもある。単なるコスト削減のためではなく、男装の麗人という言葉が当てはまる縫製になっている。
 これを率いるのが、警備一課は清水清司警尉。警備三課は首塚晴美警正。予備隊は熱川進警尉。
 警備三課で多い男装の麗人スタイルと、警備一課で多い、スカートに黒のロングブーツ姿は、見る人が見ると、たまらないらしい。
 さらに、持っている歴代の警察官制服を活かし、地域の防犯活動・交通安全活動に協力する、コスプレ集団・レイヤーズが出動する。
 さすがに記章は交通安全協会のものに代えてあるが、男性陣は警備部制服のデザインの元となった、四つボタンで上着の両襟に階級章がつき、腰ポケットは飾り、帯革装備の昭和
43年式。三つボタンで似たようなデザインだが、階級章の形や袖章の太さなど細部が変る昭和32年式。巡査・巡査部長は左上腕部に山型の記章、警部補以上は右胸に階級章をつけた、四つボタンだが昭和43年式より胸ポケットが大きく、デザインも微妙に変化している昭和27年式警察官制服。
 女性陣は昭和
51年式婦人警察官制服の元となった、ポケットの飾りフラップのデザインが微妙に変り、スカート丈も心持短い警視庁式昭和46年式婦人警察官制服姿で雑踏警備、交通誘導警備にあたる。
 さすがに拳銃、手錠、警棒のフル装備は、本職がいるのでできないし、雑踏警備では必要がないので持たないが、警察の平成
6年制定の現行制服を含めると、激動の昭和戦後、戦災復興から高度経済成長、学園紛争を経てバブル経済、平成不況の時期の制服姿が一同に会することになる。
 それ目当ての制服マニア・婦警マニアが、警備行動中の警備部員とレイヤーズに、カメラのレンズを向けてくる。無論、マニアではない人が当時の制服姿に懐かしさを覚えて、記念撮影を求められることがあるが、警備活動に支障のない限り、撮影に応じてよいとのことになっている。
人気があるのは、本来は禁止されている、ブラウス腕まくりで無帽の、アニメ版『逮捕しちゃうぞ』の辻本夏実を意識した着装の守谷ジュンと、警備部の着装規定どおりの着こなしの衛子の「似ていない双子」と、機動隊を歌った、橋幸男の「この世を花にするために」のポスターかと思わせる、熱川進の制服に編上靴姿。
 「男装の麗人」スタイルで指揮棒を振るう、犬塚悠希、首塚晴美の二人も、人気が高い。



左より、警備一課隊長、清水清司警尉(左)と予備隊隊長、熱川進警曹。中央、警備一課所属、守谷衛子警長(ロングヘア、着帽)と守谷ジュン警士(無帽、ブラウス腕まくりショートカット) 右、警備三課所属、犬塚悠希警士。左側は「男装の麗人」スタイル。
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 レイヤーズでは、同名映画の主題歌を歌い、出演もしている「若いお巡りさん」の曽根史郎を思わせる、宗村高光、高村宗光、警備部の守村義衛と、「昭和のあの日のお巡りさん」の園田方也。
 女性陣では、「昭和のあの日の婦警さん」の、鳴海悠子、長井美幸、森川あずさ。


左、「他人の空似」昭和27年式制服の守村巡査部長、昭和32年式制服の高村巡査部長、昭和43年式制服の宗村巡査部長、昭和51年式婦人警察官制服の鳴海悠子巡査部長。 右、迷子を保護した長井美幸警士
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 体格と顔立ちが似ているとよく言われる、高村、宗村、守村の三人が、デザインの近い昭和27年式、昭和32年式、昭和43年式で並ぶと、「間違い探し」になるとか。
 もう一つは、鬼役。美鬼という言葉があてはまる、虎縞レオタードに「見せる鎧」の、一昔前の典型的
RPGのヒロイン姿の美女二人が戦隊物の女幹部風、筋肉質のボディのかっこいい男性陣は、虎の皮の締込姿かと思えば、西部劇のガンマンと、鬼の概念を覆す姿で出てくる年もあるから、それ目当てのカメラ小僧と戦隊物マニア。
 三輪ゆたか・白銀忍の二人が扮する、美鬼の牛頭鬼・馬頭鬼と、鍛えたボディが自慢の牛島・馬野の牛頭馬頭は、節分会の前後に撮影会が開かれるほどだ。



ケンタウロス・タングスとミノタウロス・タウロのコンビと、アマゾネス・ミノアとアマゾネス・シノルのコンビ
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 住職の宮原純光師が、自分の寺の節分会が、「台東区に「美鬼」現る」などと、意外なところで話題になっているのを聞いて、おりからやって来た高村に、
 「高村さん、わたしは、着ぐるみを着た鬼が現れるとばかり思って、犬飼さんに鬼役の手配を頼んだんだけど、戦隊物の悪役を呼ぶとはね。女性があんなきわどい姿で来たから、カメラ小僧がわんさか押し寄せるようになったよ。」
 と言うと、折からやってきた犬飼が返す。
 「いいじゃあないですか。誰も来ない節分会よりかは。世界制服屋、世界制服屋警備部、レイヤーズ。制服が福を招いたんですよ。」
 「コスプレ衣装に制服が、福を招いた…。あんたなかなか頓知が利くね。」

 最後に、この話題を見て、檀家の詠んだ川柳をひとつ。
 制服が 福を招いた 節分会